自分の棚卸しをしよう
2026年04月09日 15:30

はじめに:自分のことを本当に分かっていますか?
あなたは自分のことをよく分かっていますか?
このような質問をすると「自分のことを本当に分かっている」と言える人は、少ないのではないでしょうか。実際、ある企業の調査では、「自分のことを分かっている」と答えた人が17.4%で、そのうちの半数は「本当には分かっていない」と感じているという結果でした。
これは実に「もったいない」ことだと思います。なぜなら自分のことを理解すると、今よりもずっと生きやすくなるからです。
日々の生活の中で、私たちは好きなこと、嫌いなこと、嬉しさ、悲しさ、我慢、違和感…… いろいろなことを思ったり感じたりしています。その思考や感情などの動きが、人生を楽しくも苦しくもしているのです。しかし、そこに目を向けるということは、なかなかないのではないでしょうか。
そこで、自分のことを分かるために役に立つのが「自分の棚卸し」です。
なぜ棚卸しが必要なのか?
「自分の棚卸し」をすると、次のようなことが見えてきます。
・自分はどんな時に嬉しくなるのか
・自分はどんな時に苦しくなるのか
・自分はどんな場面で我慢してしまうのか
このようなことが見えてくると、日頃の生きづらさの正体が浮かび上がり、自分の生き方そのものが変わり始めます。
「なぜ人と一緒にいるだけでこんなに疲れるのか」「どうしてあの人といると違和感があるのか」そういったことの答えが、この棚卸しの中に隠れていることも多いのです。
棚卸しはまず書き出すことから
では、「自分の棚卸し」はどのようにすればいいでしょう?
まずは、次のような項目に対して思いつくまま書き出してみてください。
・自分の好きなこと
・自分の嫌いなこと
・自分の得意なこと
・自分の苦手なこと
・自分が何も考えずにできること
・自分はこれまでどんなことに頑張ってきたか
・自分はこれまでどんなことを我慢してきたか
・自分が恥ずかしいと感じた過去の出来事
ほかにも自分のことで何か思いつくことがあれば、とにかく書き出してみましょう。
書き出すときのポイントとしては、自分の中から出てきたものを取捨選択せずにすべて書き出すことです。よくあるのが、誰に見せるわけでもないのに、恥ずかしい思いや罪悪感が出てきてしまって、書くことをためらってしまうことです。そのような場合には、「罪悪感が出てくること」「恥ずかしいと思うこと」など、項目を増やして書き出してみてください。
ゆっくり時間をかけながら、それでいて直感を働かせながら、1日に1つのペースで構わないので、じっくりやってみるといいと思います。項目を増やしたり減らしたりは自由にしてみてください。
自分のパターンに気づくことが大事
書き出すことが終わったら、それをじっくり眺めてみてください。すると、書き出したことの中に共通するいくつかの自分のパターンが見えてきます。
例えば、「一人が好き」というパターンが出てきたとします。それならば、一人で本を読んだり散歩したりするときには、落ち着いた気持ちで、面白がったり楽しんだりできているのではないでしょうか。反対に、他人と合わせながら仕事をするとか、グループでの飲み会に行くといったときには、辛い気持ちや苦しい思いなどが出てくるのではないでしょうか。
このように、パターンがわかったら、そこから出てくる感覚や感情に気づくことが大事なのです。特に、嬉しくない感覚や感情の奥を見ていくと、過去の家族、友達などとの関係が蘇ってくることがあります。
パターンの奥に隠れている感情
例えば、「ある友達と一緒にいると、嫌ではないのだけれど何か違和感を覚えてイライラしまうことがある」と気づいたとしましょう。この違和感から来るイライラを感じていると、いつも自分がしたいことを相手に先回りして言われてしまい、「『自分が言ってからやりたかったのに』という気持ちが宙ぶらりんになっていた」ということに気づくかもしれません。
自分の中に、「自分は他人に対し、言いたいことが言えない」というパターンがあったなら、上の例は、このパターンからきていることが分かります。そしてこの「自分は他人に対し、言いたいことが言えない」というパターンを深堀りしていくと、上の例の違和感から来るイライラは、いつも自分がしたいと思ったことを親に先回りをして言われ続けていたことからきていると気づくかもしれません。その親に対しての「嫌」という感情が、このパターンを作り出している一因となっているのです。
自分を俯瞰してみることで生活に変化が訪れる
このように自分のパターンを見ていくと、自分の内部で起きている感覚や感情が分かるようになり、自分を客観的に見ることができるようになります。「あ、自分は今嫌な気持ちになっているな」「自分は、無理に合わせようとしているな」といったことに気づくことができます。
この気づきによって、これまで罪悪感で押さえつけていたものが、押さえつけなくてもよくなります。反対に「嫌なものは仕方がない」と割り切れるようにもなり、人間関係のストレスも減っていきます。
例えば、職場で上司や同僚などから嫌なことを言われたときには、「この人は嫌いだから適当に合わせておこう」などと思えるようにもなります。もちろん、このように思えるようになるまでには時間がかかるかもしれませんが……。
割り切れるようになってくると、生活に変化が訪れます。他人に振り回されることなく、自分のペースで生活できるようになります。
私自身の棚卸し
私自身の話をすると、棚卸しから見えてきたことは
「自分一人でいろいろなことをするのが好き」
「他人から指図されることが嫌い」
「他人と一緒に何かをしなければいけないときは、我慢してやっていた」
といったことでした。
そして「他人から指図されることが嫌い」の根っこには、「幼少のころから親兄弟にコントロールされていた」というのがあることが分かりました。このことによって「人付き合いが苦手」になったのであり、それは仕方がないことだったんだ、ということを理解したため、他人といても罪悪感を感じたり卑下したりすることが減りました。
自分への本当の理解が生活に変化を起こす
このように、自分のことを本当に理解していくと、自分の生活が楽になっていきます。追われるように生きていた毎日が、ゆったりとした時間の中で過ごせる日々へとシフトしていきます。
あなたも、自分の棚卸しをして、これからの生活をより心地よいものにしていきませんか。
信暁(2026.4.9)