自分の苦しみを過小評価しない
2026年03月19日 19:25

人と比べてしまう
セッションの中でよく耳にする言葉があります。
「私より大変な思いをしている人が多いのに、これぐらいで苦しいと言っていたらダメですよね」
このような方は、日常の生活の中で常に他人と自分を比べながら生きています。
「あの人は、私より良いものを持っている」
「あの人は、私よりいい仕事に就いている」
「あの人より私の方が勝っている」
こういう方は、他人と比べることで安心感のよりどころとしています。
確かに、社会の中で生きるためには、他人の言動を参考にしながら自分を調整することも必要です。しかし、この比較が度を越してしまうと、自分を苦しめるものへと変わっていってしまうのです。
その結果として、
自己肯定感の低下
完ぺき主義
ストレスの増加
など、いろいろな弊害も生まれます。
なぜ過度に他人と比べてしまうのか?
それでは、どうして過度に他人と比べてしまうのでしょうか?
一つには、家庭環境があるかもしれません。親が近隣の家族や仕事仲間のことを比べて優劣をつけているのを聞き、それを無意識に学んでしまったのかもしれません。
もう一つの理由は、現在の情報化社会です。
「自分が友達から後れを取らないように」
「この情報化社会から取り残されないように」
そんな焦りが、自分を追い込み過ぎているのかもしれません。その背景には、自分の「自信の無さ」が隠れています。自分に自信がなく、他人と違うことを恐れる気持があるのかもしれません。これには必ず理由があります。過去において自分が安心と思えなかったことが原因であるのかもしれません。その原因の中には、大小に関わらず、家族からあるいは他人からの虐待やいじめなどがあるのかもしれません。こうした経験があれば、必要以上に自己肯定感が低下し、完ぺき主義も加速し身動きできなくなってしまいます。
苦しみを比べる必要はない
テレビやSNSでは、壮絶ながんの治療をしながら頑張って生きている人、壮絶なDVの夫や親から逃げることも許されず、何十年と耐えた末、ようやく手を差し伸べてくれる人が現れ今は安堵した生活を送れているひとなどが紹介されていることがあります。自分に自信がない場合には、こういった方の話を聞くと、自分は他人と比べて悩んでいるだけで、「自分なんてまだまだ甘い」という考えが出てきます。最終的に「こんなことで苦しんでいる自分は情けない」という考えに陥ってしまいがちです。
しかし、他人の人生は自分には分かりません。同じように、自分の人生も他人には分かりません。だから、本当は「どちらが大変である」とは比べられないのです。あなたが今苦しんでいるということは、あなたにしか分からない苦しみが確かにそこにあるのです。その苦しみは、誰かの壮絶な癌で苦しんでいる方や、DVや虐待で苦しんできた方と匹敵するぐらいのものだからです。あなたの苦しみは、軽んじられるようなものではなく重いものなのです。
自分への感謝
よく自分の内側を静かに観察してみてください。恐らく、今苦しんでいる根っこの部分が見えてくるかもしれません。それだけ苦しんでいたことを分かってあげてください。そうすれば、過小評価する必要が無くなります。その代わりに、この苦しみの中、「頑張って生きてきてくれてありがとう」と自分に声を掛けてあげてください。
本当に、あなたは頑張ってきたのです。
それは、全ての人に言えることです。
「自分を守って生きてきてくれてありがとう。」
こう呼べる日がきっと来ます。
信暁(2026年3月19日)