とどまる、感じる、ひらく

わたしは自分が、何者なのかわからなかった

2025年06月26日 17:28

わたしは自分が、何者なのかわからなかった 

わたしは事あるごとに、否定的な言葉を浴びせられてきた 

いつも怒られていた 

 

確かに褒められたことはある 

楽しかった時もある 

しかし、それ以上に否定的な言葉を浴びせられることの方が圧倒的に多かった 

 

だから、自分が自分じゃないように感じていた 

物心がつく前に「死んでおけばよかった」とずっと思っていた 

 

わたしの心は傷ついていた 

傷ついていたが、傷はないものとして過ごしていた 

だから誰もわたしの傷はわからなかった 

自分でもわからなかった 

 

今も誰もわからないと思う 

それだけ平気な顔をして生きていたから 

 

傷があることを知ったとき、自分ではどうすることもできなかった 

自分の本当の感覚も感情も蓋をしてきた 

 

ただみんなに受け入れられたいという気持ちからの感覚や感情を出していただけ 

わたしはとうとう演技をすることができなくなった 

 

そこで自分を知る旅に出る 

最初は自分のことをわかってもらえているという嬉しさから旅も楽しかった 

しかし、どんどん進んでいくと楽しさばかりじゃなくなった 

 

時には険しい山に登ったり、ジャングルの中を駆け巡ったりした 

まったく出口がない洞窟に入ったりもした 

 

「いったい自分は何をやっているのか」 

「こんなことをしていて何になるのか」 

という声が、ところかしこから聞こえてきた 

 

しかしフッとしたとき、自分の中から傷が癒えてきていることに気がついた 

 

この苦しさの分だけ自分を追い込んでいたことにも気がついた 

これだけわたしは自分の本当の気持ちを無視して生きてきたのだ 

 

自分の旅はまだ終わらない 

しかし以前のように苦しいだけではなくなった 

新しい発見が、わたしの心を満たしてくれている 

 

信暁(2025年6月26日)