自分自身に気づく
2024年04月24日 22:49
本当の自分自身に気づくことは、この上なく嬉しいことなのです。
私たちは、自分が困ったとき、苦しいとき、何かにすがりたい気持ちになります。そんなとき、そばに仲間や友達、恋人などがいれば、話を聞いてもらってスッキリするということができます。
しかし、ある程度年齢を重ねると、自分のことを話せる人が少なくなると同時に、自分のことを話すのに抵抗を感じてくる人も多いように思います。それは、人生においていろいろな知恵や知識がついたからかもしれません。一人で何とかしようとする気持ちが強くなり、本屋で、自分の苦しみを解決してくれそうな本を買って読む、あるいはネットで同じような悩みをもっている人のブログを読むなどするでしょう。自己啓発のセミナーなどに行く人もいると思います。
確かに、こういったことで一時的には楽になっていきます。しかし、長い目で見ると同じ周回路を回っているにすぎず、ある程度すればまた同じ問題に突き当たります。
こういったことを解消するにはどうすればいいかというと、自分に目を向けることです。
自分に目を向けるということは、自分にとって一番したくないことです。自分と向き合うことは自分の一番見たくないところを見ることであり、今まで無意識に隠していたことに気づいてしまうからなのです。
例えば、子どものときに親からの愛情を受け取っていなかったとすると、大人になってからも人からの愛情を受け取りたくて、必要以上に相手に尽くすことをしてしまったりします。しかし、子どものときのことは忘れているか気にも留めていないので、今の問題は今現在のことだけの問題と思ってしまいます。決して、子どものときの愛情不足が原因であるとは思わないのです。
子どものときには、愛情不足を感じながら生きることは、生きるか死ぬかの問題です。だから、感じないように無意識に潜在意識に封印してしまうのです。でも、年齢を重ねるにつれ、封印していたものが、何回もいろいろな問題のなかで派生して顔を覗かせます。無意識の扉を開いて封印を解くことが、本当の意味での自分自身の問題解決になります。
じゃあ、どうすればいいのか?
自分自身の今の気持ちを出すことから始めるのが肝心です。出すことによって自分の中にスペースが生まれます。そうすれば、自分の中に余裕ができ、自分に起こっていることに気づきやすくなっていきます。
私たちのセッションやワークではマインドフルネスを謳っていますが、必ずしも最初からマインドフルネスをするわけではないのです。相手の方のお話を聞きながら、今この方はどういったことで苦しんでおられるのかを感じ、内面のことを感じるよりも今の表面の苦しみを解放することのほうが大事と思えば、まずはお話をずっと聞きます。話を聞いていると、だんだん話の内容が変わってきます。話の内容が変わるにつれ、顔の表情にも変化が表れます。ある程度話され落ち着きを取り戻されてから、ようやくマインドフルネスに入り感じてもらいます。
セッションする方によっては、ずっと話を聞くだけで終わる方もいます。私たちは、話されることについていろいろと問題提起しませんし、否定することは絶対にしません。相手の方を尊重し、寄り添い、話を聞き、変化を待つだけです。「自分自身の答えは自分の中にしかない」ということを、皆さんよく知っておられます。その答えに近づけるように私たちはお手伝いしているだけなのです。
マインドフルネスができるようになり、自分の内面をご自身の力で見ていけるようになるのはたやすいことではありません。見ていくまでに時間が掛かる人がほとんどです。しかし、いったん内面に気づくともう変わり始めている自分がいるので、後戻りはできません。自分自身でも、自分に変化が起きていることが愛おしくなり、後戻りする選択はなくなるのです。
今の苦しみからの解放は、自分の内面の神様からの贈り物として受け取ってもいいのではないでしょうか。
信暁(2024年4月24日)