とどまる、感じる、ひらく

母の呪縛からの解放①(コントロールマザー)

2024年05月04日 15:10

 母親は、子どもを苦しめるために育てているわけではないと思うのです。しかし、子どもが伸び伸びと自由に振る舞ったりしているのを見ると、母親自身が、過去に得られなかった体験、してもらえなかった体験が、自然と呼び起こされるために、子どもに対して無意識に悔しい気持ちや腹立たしい気持ちが出てきた結果、子どもを苦しめるようなことをしてしまうのだと思います。苦しめているときに、子どもの状態を見て、懺悔の気持ちで自分を責めている人もいるでしょう。逆に、自分の過去の気持ちを見せられて、怒りを子どもにぶつけている人もいるでしょう。どちらにしろ、母親にとっても子どもにとっても不幸ですよね。


 自分が、「どうして母からこんなことを言われるのだろう」、「どうして母は私にこんなことをするのだろう」と思ったら、『母の呪縛から解放される方法』(タツコ・マーティン著、大和書房)という本の中にある、母親のタイプⅠ~Ⅹのどれに当てはまるかを考えてみるのがいいと思います。私自身、この本によって自分が母親に抱いていた「もしかしたら~なのかも」という気持ちが確信に変わりました。

 著者は、タイプⅠ~Ⅹのなかで、どれか1つのタイプというより、いくつかが混ざっているタイプの母親が多いと言います。すべてのタイプを一度に説明すると分量が多くなってしまうので、少しずつ順を追って載せていきたいと思います。


タイプⅠ:コントロールマザー


 子どもとの間に境界線を設けず、子どもをまるで自分の腕の延長のように扱うタイプ。厳しい家庭に育った人も多く、自分自身も親に管理されて育ったため、自分が親になったとき、無意識に子どもを管理してしまう。

自分の果たせなかった夢を子どもに託そうとするケースも多く、子どもの気持ちを考えずに自分の敷いたレールのうえを歩んでもらうことを強く望んでいる。


コントロールマザーの口ぐせ

・どこに行ってたの?

・なんで遅かったの?

・○○に着いたら,必ず連絡してね。

・そんなこと絶対に許しませんから。


コントロールマザーに育てられた人の特徴

・恋人やパートナーに自分の理想を押し付けがち。

・自分らしく生きていない気がする。

・仕事や趣味などを思い切りやりたいのに,なぜかブレーキがかってしまう。

・人に頼るクセがある。


こ のような感じで育てられると、子どもは委縮してしまいます。委縮していると、その委縮したことについて、また母親が口出ししてくるということもあります。そうすると、子どもは、発達段階で悪影響が出てくることがあります。もし、自分がこのようなタイプの母親に育てられたのなら、「よく頑張ってきたね、凄いよ」と自分に声をかけてあげてください。

次回は、タイプⅡ(被害者メンタリティーマザー)です。


信暁(2024年5月1日)