あなたは何も悪くない
2024年07月28日 12:42
友だちのPちゃんが、予約の取れない有名なカウンセラーさんのところに行った話をしてくれました。
Pちゃんはいままでも、セラピーに行ったり、感情解放のワークに取り組んだりと、いろんなことをしてきたけど、その根底には、「苦しいのは自分がよくないからで、自分が変わらないといけないんだ」という思いがずっとあったのだそうです。ほかにも目覚めや悟りの教えを学んだり、瞑想や座禅に取り組んだりもしてきたけど、それも「〈私〉がなくなれば、問題が解決するに違いない」という思いからの行動だったそうです。
今回そのカウンセラーさんのところでは、Pちゃんとおばあちゃん、お母さんとの関係についての話が中心となり、子どものPちゃんはおばあちゃん、お母さんに支配されていたということ、そして特にお母さんから受けたいろんなものが苦しみの原因になっているから、その受けてしまったことをリセットする治療をすればいいというようなことを言われたそうです。
今回「お母さんが悪い」とはっきり言われたことで、「自分は悪くないんだ」と言ってもらったようで、なんだかホッとしたんだよね……そうPちゃんは言っていました。
Pちゃんの話を聞いて、ふと知り合いのMさんから聞いたMさんの妹の話を思い出しました。
Mさんの妹は、カウンセリングで親との関係が問題だと言われたことから、「自分がこんなふうになったのは全部親のせいだ」と思い込み、それを直接、親に対してぶつけることを始めたのだそうです。過去の親の言動を非難し、親に謝罪を要求し、その後は、いま自分が働けないのは親のせいだから、親が何とかしてくれるべきだと言い出したのだそうです。
多くの苦しみが子どもの頃の親子関係に端を発しているというのは、そうだろうなと思うのですが、親を非難しても、たいがいの場合、親は聞く耳をもたなかったり、自分の何が悪かったのか理解できなかったりで、かえって傷が深くなることが多いようです。
なので私は、「誰かのせいだ」と思わせるような言い方をすることは、相手に対して決してよくはないんだろうなと思ってきたのですが、今回Pのちゃんの話から、それもひとつの思い込みにすぎなかいのかと、ちょっと考え直す機会となりました。
幼い頃に、親や周りの大人から言われたりされたりしたことについて、「自分がいけないからだ」と思い込んだり、親が怒ったり悲しんだりしているのを見て、「自分がいい子じゃないからだ」と思ったりすることは本当によくあることだと思います。そこから無意識のうちに罪悪感を抱え込んでしまい、理由のわからない罪悪感にずっと振り回され続けることになってしまう人も、たくさんいるように思えます。
Pちゃんもそうやって罪悪感を抱え込んできたのだろうし、Mさんの妹にしても、必要以上に親のせいだと言い張るのは、もしかしたら自分の中にある罪悪感を親に投影しているからなのかもしれません。
だからこそ、誰しもが、「あなたは何も悪くないよ」と言って欲しいのかもしれせん。
もしあなたの中に不要な罪悪感があるように感じるなら、あるいは、誰かや何かを責めることが止まらないのであれば、あなたがあなた自身に、そしてあなたの中の小さな子に言ってあげてみてはどうでしょうか。
「あなたは何も悪くないよ」と。
だってほんとうに、あなたは何も悪くないのですから。
ゆり(2024年7月28日)