自分に変化を起こす
2024年11月10日 22:13
人生において、楽しく生きたい、自分の思い描いた人生を歩みたいということは、誰しもが思うことなのかもしれません。やりたい仕事に就き、人間関係にも恵まれ、お金もしっかり稼ぎ、優しい家族に囲まれて楽しく生きられたらと思うかもしれません。
こういったことを理想で終わらせるのではなく、実際に誰しも自分の思い描いた人生を歩むことができるのです。しかし、それには少し頑張らないといけないことも出てきます。
この少し頑張らないといけないことというのは、それぞれの人の生い立ちにヒントがあります。今回は、あくまでPDSDのような重度のトラウマの方以外の方のこととして、話をしていきます。
いまの状態を考えたとき、やりたい仕事につけず人間関係が最悪な会社でくすぶっていたり、毎月の支払いやローンなどでお金に困っていたり、家庭は崩壊寸前で離婚の危機に直面していたり、といったことがあるかもしれません。頑張っているのに自分は報われないと思っているかもしれません。
もし思い通りの人生を歩めていないとしたら、軌道修正する鍵は、先ほどいったように生い立ちの中にヒントがあります。
私の生い立ちを振り返ってみると、何かにつけて家族から怒られていた、家族が過干渉であった、躾と言いながら虐待まがいなことをされていたなどなどがありました。子ども時代は、親兄弟が絶対的存在なので、生きていくためには置かれた状況で耐えるしかなかったのです。
大人になり、それなりに生活できるようになってくると、結婚など自分の人生について考えることも増えました。そうすると、自分の性格や人づきあいなど、自分の嫌な部分も見えてくるようになりました。それにより、過去の人間関係の問題が浮き彫りになってきました。だから、出てきたものに蓋をするようにして生活を送っていたのですが、そうは言っていられないこと(経営者に騙されたり、結婚がダメになったり、からだを壊したり)が次々に起こり、自分のことをしっかりと見ないといけないという状況に追い込まれました。
自分のことを見ていくうちに、子ども時代に安全・安心であるはずの家がまったくそうではなかった、親からの厳しい躾にも耐えていたが、愛情を含んだ躾ではなかったことに気がつきました。子どもの自分にとっては、安心・安全が崩れてしまっており、過干渉により自分の境界線(バウンダリー)も壊されてしまっていました。それだけでなく、愛情に飢えていたことにも気づきました。
それまでは、家が安全・安心の場所ではないということなど微塵にも思っていなかったので、愕然としました。
しかし、自分の内面をゆっくりと感覚を通して見ていくと、いろいろと細かいところでの自分の嫌な部分も炙り出されました。例えば、自分の安全・安心の場所を、他人に求めていたこと、他人からの愛情を受け取りたい一心に無意識に優しい人とだけの関わりを求めていたことなどです。生きづらさのもとが、人間関係にあることもわかりました。
こういったことが腑に落ちるまでには、一筋縄ではいかず、けっこう時間がかかりました。これらのことを書くとかなりの量になりますので、機会があればまた少しずつ書いていきたいと思います。
自分の内面をみるということは、自分と向き合うことになります。自分と向き合うと、どうしても自分の生い立ちから目を背けることができなくなります。自分の生い立ちがヒントになるといったのは、こういう理由からです。
自分と向き合うということは、自分自身を見つめることになり何が出てきても言い訳はできないのです。そして、気づいたものがすべて自分に返ってきます。これほど苦しいものはありません。しかし、自分と向き合わなければ、自分自身の生きづらさは何も変わらないのです。
自分と向き合うためには、今までに自分が自分自身にしてこなかったことをしなくてはなりません。どういったことかというと、「自分に素直になる」、「自分に正直になる」、「自分に嘘をつかない」、「出てきたものから目を背けない」、これらのことから逃げないために「覚悟をする」ということです。
自分の中から思いもかけないものが出てくると、どうしても辛くなり逃げたくなります。そして、今まで歩んだことがない新しいところに行こうとしているので、恐怖心も出るでしょう。そのときは、逃げてもかまいません。しかし、「自分の生きづらさに変化を起こすのだ」ということは、頭の隅においてください。そうすれば、必ず自分を見つめることに戻ることができます。
自分の生きづらさに変化を起こす、これは自分を知ることから成せるものなのです。
自分を人質のように縛り付けているものから解放され、自分の人生を取り戻しましょう。
信暁(2024年11月10日)