とどまる、感じる、ひらく

悩みや苦しみからの向き合い方

2024年12月19日 18:04

 今朝、洗面所の掃除をしていて気づいたことがあります。 

 いつもコップを置いている場所に、徐々に水垢がついて茶色くなってきたので、以前から、そこをブラシで擦ったり、重曹を振りかけて擦ったりしていたのですが、全然取れませんでした。しかし、今朝、ダメもとで重曹のついたスポンジで擦るように拭いてみると、茶色いところの色が薄くなっていたのです。もう一度やってみると、本当に薄くなり、水垢がとれているのが分かりました。 

 そこで、フッと思ったのです。自分の悩みや苦しみによる行き詰まりが起こったときに、すぐに何とか対処するのではなく、少し向き合う時間も必要ではないかと。 

 自分自身の悩みや苦しみによる行き詰まりがあると、早くなくしたい、早く解消してもとの元気な自分に戻りたいと思う気持ちから、その悩みや苦しみをほかのことで紛らわせたり、みないようにしてなかったことにしてしまいがちです。 

 例えば、カラオケなどで発散して忘れるとか、友達とお酒を飲んで忘れるといった具合です。どこかで、悩みや苦しみなんてないほうがいいと思っていたり、あるいは、周りの人たちが自分より楽しそうに見えてしまい、悩んだり苦しんだりしている自分を「恥ずかしい」と思う気持ちが湧くことによって、悩みや苦しみをないものとして処理してしまう(隠してしまう)ところもあるからです。 

 そうすると、悩みや苦しみは、一時的には解消されたように感じても、自分の内面には残ったままになってしまいます。そして、その悩みや苦しみは、次に出てきたときには、形を変えてもう一段苦しさを増して出てくるのです。 

 そうならないためにも、悩みや苦しみは、出てきたときにそれと向き合い、対処するほうがいいのです。 

 自分の悩みや苦しみによる行き詰まりは、自分の人生の中で起こっていることなので、まずは自分がそのことをしっかりと受け入れない限り、決して解放されないのです。そこのところが分かってくると、悩みや苦しみによる行き詰まりが出てきたときには、ゆっくりと落ち着いて時間をかけて対処できるようになってきます。 

 ただ、その悩みや苦しみが、今の自分が向きあうには重すぎると思ったときには、耐性を高める意味でも、いったん、その悩みや苦しみから離れるほうがいい場合もあります。こんなことを言うと、「今の自分の悩みや苦しみが、どれだけ重 

 いのか分からない」と言われるかもしれません。それは、ごもっともなことで、はっきり言って経験しないとわかりません。 

 悩みや苦しみで行き詰まりが出たときに、それを受け入れ、向き合い、判断し、そして失敗する(この失敗は、重いと思ったけど軽くてすぐに対処できたはずなのにそうしなかったという判断違いです。その逆もあります)。そうするうちに、自分の耐性が強化されていきます。そして、最初の悩みや苦しみが、嘘のようにどうでもいいことのように思えるようになります。 

 とにかく大事なのは、自分の中から出てきた悩みや苦しみによって行き詰まったときは、焦って何とかしようとするのではなく、いったん受け入れて、向き合ってみるということです。なぜなら、答えはすべて自分の中にあるからです。すべての答えを知っている自分自身を信頼し、自分のお腹から発する声に耳を澄ませれば、時間はかかっても必ず答えを導き出せるからです。 

 自分自身を信頼し、自分のお腹の声を聞いてあげ、自分を悩みや苦しみから解放してあげましょう。 

信暁(2024年12月19日)